自分の貯金が周囲の平均よりも多いか、それとも少ないか、気になりませんか?また、老後の資金について心配ではありませんか?43歳という節目にさしかかると、財務の状況について深く考える人も少なくないかもしれません。そこで、今回の話題は「43歳での貯金850万円は少なすぎるのか、それとも十分なのか?」について深掘りしてみましょう。
43歳で850万円の貯金は少ない?それとも平均的?
まず、43歳の平均的な貯金額を確認してみましょう。しかし、これはあくまでも「平均」です。貯金額は生活習慣、収入、負債の有無、地方差、個々の貯金目標など、さまざまな要素により変動します。
43歳で単身(独身)の状況
金融広報中央委員会の調査に基づくと、40代単身(独身)の平均貯金額は657万円です。この数値を参照すると、貯金850万円の差は193万円であり、それは平均値より多いという評価に繋がります。
中央値との比較
ただし、平均値は一部の貯金額が非常に多い人によって大きく影響されることがあります。それに対して、よりリアルな指標である中央値は53万円です。この指標を参照すると、貯金850万円は797万円の差となり、これは平均値より多いと評価されます。
年齢歳2人以上の世帯の場合
同じく金融広報中央委員会の調査によれば、40代2人以上世帯の貯金平均値は825万円とされています。この数字を基準に考えると、貯金850万円との差額は25万円となり、中央値より多いと言えます。
中央値と比べると
しかし、平均値は一部の極端に貯蓄が多い個人に影響を受けて多い方に偏ってしまいます。より実態がつかみやすい中央値は250万とされています。この数字を基準に考えると、貯金850万円との差額は600万円となり、中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に必要な貯金の総額
かつて「老後に2,000万円が必要」という議論がありましたが、老後の資金不足について心配する人は少なくありません。60歳からの老後の生活費は、個々の状況により大きく変動しますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの基準とされています。
43歳で850万円を蓄えた老後の資金計画
43歳で850万円を保有している場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もってみましょう。
43歳で独身の場合
独身であれば、60歳までに約1,000万円の老後資金を目安とします。これに基づき、不足分は150万円となります。均等に貯蓄することを想定した場合、60歳までの17年間で年に8.8万円、月に0.7万円を蓄えることが目標となります。
43歳で2人世帯の場合
2人世帯であれば、60歳までに2,000万円の老後資金を目安とします。これに基づくと、不足額は1150万円となります。均等に貯蓄することを想定した場合、60歳までの17年間で年に67.6万円、月に5.6万円を蓄えることが目標となります。
43歳で850万円の貯金が老後資金としてどう影響するか
上述の数値は理想的なもので、未来の収益や出費、インフレ等の要素を踏まえると、貯金をさらに増やすか、60歳を過ぎても仕事を続けて収益を得ることが必要となるかもしれません。
貯金を増やすための一つの方法として、単に貯金を積み重ねるだけではなく、投資を通じて資産を増やすことも検討するべきです。ただ、投資にはリスクも伴いますので、注意深く進めることが必要です。
以上、43歳で850万円の貯金を持つあなたが老後にどの程度の貯金が必要となるかでした。みなさんの資産作りの参考になればと思います。