自分の貯金が他の人と比べて多いのか少ないのか、気になったことはありませんか?また、老後の資金について心配になることはありませんか?31歳の時期に、自分の財政状況について真剣に考えることが増えるかもしれません。そこで今回、私たちは「31歳での貯金400万円は十分か、それとも不十分か?」という問題について考察します。
31歳での貯金400万円は少ないのか?平均はどれくらい?
31歳の時点での平均貯金額を確認してみましょう。ただし、これは「平均」なので、貯金額は生活スタイル、給料、負債の有無、地域、目標といった多種多様な要素によって決まることを忘れてはいけません。
31歳独身(単身)の場合
金融広報中央委員会の調査によれば、30代単身(独身)の貯金平均値は494万円とされています。この数字を基準に考えると、貯金400万円との差額は-94万円となり、平均値より少ないと言えます。
中央値と比べると
しかし、平均値は一部の極端に貯蓄が多い個人に影響を受けて多い方に偏ってしまいます。より実態がつかみやすい中央値は75万とされています。この数字を基準に考えると、貯金400万円との差額は325万円となり、平均値より多いと言えます。
31歳で2人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査によると、30代の2人以上の世帯の平均貯金額は526万円となっています。この数値を基にした場合、貯金400万円の差額は-126万円となり、それは中央値より少ないといえるでしょう。
中央値との比較
しかし、平均値は一部の極端に高い貯蓄額を持つ個人によって引き上げられる可能性があります。実態をより正確に反映する中央値は200万円となっています。この数値を基準にすると、貯金400万円の差額は200万円となり、これは中央値より多いと評価されます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に必要な貯金の総額
かつて「老後に2,000万円が必要」という議論がありましたが、老後の資金不足について心配する人は少なくありません。60歳からの老後の生活費は、個々の状況により大きく変動しますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの基準とされています。
31歳貯蓄400万円の場合の老後資金準備
現在、31歳で貯蓄400万円の場合、60歳まで月にどの程度貯金が必要か試算してみましょう。
31歳独身(単身)の場合
独身の場合、60歳までに必要な老後資金を1,000万円とすると、不足額は600万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの29年間で年20.7万円、月1.7万円の貯蓄が目安になります。
31歳2人世帯の場合
夫婦2人世帯の場合、60歳までに必要な老後資金を2,000万円とすると、不足額は1600万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの29年間で年55.2万円、月4.6万円の貯蓄が目安になります。
31歳で貯金400万円、その老後資金の視点
ここまでの数字はあくまで理想的なもので、将来の収入や支出、インフレなどを考慮に入れると、もっと貯蓄を増やすか、60歳を超えても仕事を続けて収入を得ることが求められるかもしれません。
貯蓄を増やすための策として、ただ貯金を蓄えるだけでなく、投資を通じて資産を拡大することも考慮すべきです。しかし、投資はリスクも伴いますので、慎重に行うべきです。
以上が31歳で貯金400万円のあなたが考慮すべき老後の貯金の量についての解説です。これが皆さんの資産計画の参考になれば幸いです。