自分の貯金が周囲の平均よりも多いか、それとも少ないか、気になりませんか?また、老後の資金について心配ではありませんか?42歳という節目にさしかかると、財務の状況について深く考える人も少なくないかもしれません。そこで、今回の話題は「42歳での貯金300万円は少なすぎるのか、それとも十分なのか?」について深掘りしてみましょう。
42歳での貯金300万円は少ないのか?平均はどれくらい?
42歳の時点での平均貯金額を確認してみましょう。ただし、これは「平均」なので、貯金額は生活スタイル、給料、負債の有無、地域、目標といった多種多様な要素によって決まることを忘れてはいけません。
42歳で一人暮らし(独身)のケース
金融広報中央委員会の調査結果によれば、40代の単身(独身)者の平均貯金は657万円と推定されています。この基準に基づくと、300万円の貯金は-357万円の差があり、これは平均値より少ないといえるでしょう。
中央値で見ると
ただし、平均値は一部の非常に多くの貯金を持つ人々によって高まる傾向があります。より具体的な指標である中央値は53万円です。この値を基準にすると、300万円の貯金は247万円の差があり、それは平均値より多いと判断できます。
42歳で二人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査により、40代の二人以上の世帯の平均貯金額が825万円となっています。これを基準にすれば、貯金300万円は-525万円の差があり、それは中央値より少ないと評価できます。
中央値と比較すると
しかし、平均値は一部の非常に貯蓄額の多い人々の影響を受けているため、偏りが生じてしまいます。現実に近い指標とされる中央値は250万円とされています。この値を基準にすると、貯金300万円の差額は50万円となり、それは中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後必要とされる貯金額
かつて「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、老後資金の不足について不安に思われる方も多いでしょう。60歳以降の老後資金の必要額は、個々様々な要素によって変わりますが、単身者は、1,000万円、夫婦2人は、2,000万円がひとつの目安と言えるでしょう。
42歳で300万円を持っている場合の老後の資金計画
現在、42歳で300万円を蓄えている場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もりましょう。
42歳で独身(単身)の場合
もし独身の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約1,000万円とします。これによると、不足する金額は700万円です。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの18年間で年に38.9万円、月に3.2万円の貯蓄が目安となります。
42歳で2人世帯の場合
2人世帯の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約2,000万円とします。この場合、不足額は1700万円となります。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの18年間で年に94.4万円、月に7.9万円の貯蓄が目安となります。
42歳、貯金300万円の老後資金についての考え方
ここで挙げた数字は最適な状況を示すもので、将来の収入や支出、インフレなどを勘案すれば、更に貯蓄を増やしたり、60歳を越えても就労し、収入を得る必要があるかもしれません。
貯金を増やす一方で、単に節約して積み立てるだけでなく、投資を通じて資産を増やすことも視野に入れると良いでしょう。ただし、投資にはリスクが伴うので、慎重に進める必要があります。
以上が42歳で貯金300万円のあなたが老後までにどれだけの貯金が望ましいかについての解説です。皆様の資産構築の一助になれば幸いです。