自身の貯金が他人と比べて多いのか、少ないのか気になることはありませんか?あるいは、老後の生活資金について不安を感じることは?55歳という年齢になると、自分の財務状況について深く思い悩む人も多いかもしれません。今回は、「55歳の貯金350万円は足りているのか、それとも足りないのか?」というテーマについて見ていきたいと思います。
55歳での貯金350万円は少ないのか?平均はどれくらい?
55歳の時点での平均貯金額を確認してみましょう。ただし、これは「平均」なので、貯金額は生活スタイル、給料、負債の有無、地域、目標といった多種多様な要素によって決まることを忘れてはいけません。
55歳で一人暮らし(独身)のケース
金融広報中央委員会の調査結果によれば、50代の単身(独身)者の平均貯金は1,048万円と推定されています。この基準に基づくと、350万円の貯金は-698万円の差があり、これは平均値より少ないといえるでしょう。
中央値で見ると
ただし、平均値は一部の非常に多くの貯金を持つ人々によって高まる傾向があります。より具体的な指標である中央値は53万円です。この値を基準にすると、350万円の貯金は297万円の差があり、それは平均値より多いと判断できます。
55歳で2人以上の世帯のケース
金融広報中央委員会の調査によると、50代の2人以上の世帯の平均貯金額は1,253万円となっています。この数値を基準にすると、貯金350万円の差額は-903万円となり、これを中央値より少ないとみなすことができます。
中央値と比べて
だが、平均値は一部の極めて高額な貯金を持つ個人による影響を受けやすいです。実情をより反映する中央値は350万円となっています。この値を基準にすると、貯金350万円の差額は0万円となり、これを中央値に近いと評価できます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に必要な貯金の総額
かつて「老後に2,000万円が必要」という議論がありましたが、老後の資金不足について心配する人は少なくありません。60歳からの老後の生活費は、個々の状況により大きく変動しますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの基準とされています。
55歳で350万円を持っている場合の老後の資金計画
現在、55歳で350万円を蓄えている場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もりましょう。
55歳で独身(単身)の場合
もし独身の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約1,000万円とします。これによると、不足する金額は650万円です。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの5年間で年に130万円、月に10.8万円の貯蓄が目安となります。
55歳で2人世帯の場合
2人世帯の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約2,000万円とします。この場合、不足額は1650万円となります。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの5年間で年に330万円、月に27.5万円の貯蓄が目安となります。
55歳で350万円の貯金が老後資金としてどう影響するか
上述の数値は理想的なもので、未来の収益や出費、インフレ等の要素を踏まえると、貯金をさらに増やすか、60歳を過ぎても仕事を続けて収益を得ることが必要となるかもしれません。
貯金を増やすための一つの方法として、単に貯金を積み重ねるだけではなく、投資を通じて資産を増やすことも検討するべきです。ただ、投資にはリスクも伴いますので、注意深く進めることが必要です。
以上、55歳で350万円の貯金を持つあなたが老後にどの程度の貯金が必要となるかでした。みなさんの資産作りの参考になればと思います。