自分の貯金が周囲の平均よりも多いか、それとも少ないか、気になりませんか?また、老後の資金について心配ではありませんか?58歳という節目にさしかかると、財務の状況について深く考える人も少なくないかもしれません。そこで、今回の話題は「58歳での貯金400万円は少なすぎるのか、それとも十分なのか?」について深掘りしてみましょう。
58歳で400万円の貯金は足りている?平均はどの程度?
一度、58歳の一般的な貯金額について見てみましょう。ただし、これはあくまで「平均」で、貯金の量はライフスタイル、収入、負債の有無、地域性、個人的な目標など、多くの要素に影響されます。
58歳独身(単身)の場合
金融広報中央委員会の調査によれば、50代単身(独身)の貯金平均値は1,048万円とされています。この数字を基準に考えると、貯金400万円との差額は-648万円となり、平均値より少ないと言えます。
中央値と比べると
しかし、平均値は一部の極端に貯蓄が多い個人に影響を受けて多い方に偏ってしまいます。より実態がつかみやすい中央値は53万とされています。この数字を基準に考えると、貯金400万円との差額は347万円となり、平均値より多いと言えます。
58歳で二人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査により、50代の二人以上の世帯の平均貯金額が1,253万円となっています。これを基準にすれば、貯金400万円は-853万円の差があり、それは中央値より少ないと評価できます。
中央値と比較すると
しかし、平均値は一部の非常に貯蓄額の多い人々の影響を受けているため、偏りが生じてしまいます。現実に近い指標とされる中央値は350万円とされています。この値を基準にすると、貯金400万円の差額は50万円となり、それは中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に必要な貯金の総額
かつて「老後に2,000万円が必要」という議論がありましたが、老後の資金不足について心配する人は少なくありません。60歳からの老後の生活費は、個々の状況により大きく変動しますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの基準とされています。
58歳で400万円を蓄えた老後の資金計画
58歳で400万円を保有している場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もってみましょう。
58歳で独身の場合
独身であれば、60歳までに約1,000万円の老後資金を目安とします。これに基づき、不足分は600万円となります。均等に貯蓄することを想定した場合、60歳までの2年間で年に300万円、月に25万円を蓄えることが目標となります。
58歳で2人世帯の場合
2人世帯であれば、60歳までに2,000万円の老後資金を目安とします。これに基づくと、不足額は1600万円となります。均等に貯蓄することを想定した場合、60歳までの2年間で年に800万円、月に66.7万円を蓄えることが目標となります。
58歳で貯金400万円、その老後資金の視点
ここまでの数字はあくまで理想的なもので、将来の収入や支出、インフレなどを考慮に入れると、もっと貯蓄を増やすか、60歳を超えても仕事を続けて収入を得ることが求められるかもしれません。
貯蓄を増やすための策として、ただ貯金を蓄えるだけでなく、投資を通じて資産を拡大することも考慮すべきです。しかし、投資はリスクも伴いますので、慎重に行うべきです。
以上が58歳で貯金400万円のあなたが考慮すべき老後の貯金の量についての解説です。これが皆さんの資産計画の参考になれば幸いです。