自身の貯金が他人と比べて多いのか、少ないのか気になることはありませんか?あるいは、老後の生活資金について不安を感じることは?34歳という年齢になると、自分の財務状況について深く思い悩む人も多いかもしれません。今回は、「34歳の貯金550万円は足りているのか、それとも足りないのか?」というテーマについて見ていきたいと思います。
34歳で550万円の貯金は足りている?平均はどの程度?
一度、34歳の一般的な貯金額について見てみましょう。ただし、これはあくまで「平均」で、貯金の量はライフスタイル、収入、負債の有無、地域性、個人的な目標など、多くの要素に影響されます。
34歳で単身(独身)のケース
金融広報中央委員会の調査によると、30代単身(独身)の貯蓄平均は494万円とされています。この数値を基準にみると、550万円の貯金は56万円の差があり、それは平均値より多いと解釈できます。
中央値と比較すると
しかし、平均値は一部の極めて多くの貯蓄を持つ人々の影響を受けて偏りが生じます。より現実的な指標とされる中央値は75万円です。この数値を基準にすると、貯金550万円との差額は475万円となり、これを平均値より多いと判断できます。
年齢歳2人以上の世帯の場合
同じく金融広報中央委員会の調査によれば、30代2人以上世帯の貯金平均値は526万円とされています。この数字を基準に考えると、貯金550万円との差額は24万円となり、中央値より多いと言えます。
中央値と比べると
しかし、平均値は一部の極端に貯蓄が多い個人に影響を受けて多い方に偏ってしまいます。より実態がつかみやすい中央値は200万とされています。この数字を基準に考えると、貯金550万円との差額は350万円となり、中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後必要とされる貯金額
かつて「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、老後資金の不足について不安に思われる方も多いでしょう。60歳以降の老後資金の必要額は、個々様々な要素によって変わりますが、単身者は、1,000万円、夫婦2人は、2,000万円がひとつの目安と言えるでしょう。
34歳で550万円貯金している場合の老後資金の準備
現在、34歳で550万円を所有しているとした場合、60歳までに必要となる貯金額を計算してみましょう。
34歳で独身(単身)のケース
独身者の場合、60歳までに必要とされる老後資金はおおよそ1,000万円です。この目標から見ると、不足金額は450万円となります。この金額を均等に貯蓄すると考えた場合、60歳までの26年間で年に17.3万円、月に1.4万円の貯金が必要となります。
34歳で2人世帯のケース
2人世帯の場合、60歳までに必要とされる老後資金は大体2,000万円とされています。この目標から見ると、不足金額は1450万円となります。この金額を均等に貯蓄すると考えた場合、60歳までの26年間で年に55.8万円、月に4.7万円の貯金が必要となります。
34歳で貯金550万円、それに対する老後資金の取り組み
ここまで述べた数値はあくまで理想的なもので、将来の収入や出費、インフレなどを考慮に入れると、貯蓄をさらに増やす、あるいは60歳を超えても仕事を続けて収入を得る必要があるかもしれません。
貯蓄を増やす方法としては、ただ節約して積み立てるだけでなく、投資を通じて資産を増やすことも視野に入れると良いでしょう。ただし、投資にはリスクも伴うので、注意深く行うことが必要です。
以上が34歳で550万円のあなたが老後にどれくらいの貯蓄をするべきかについての考察です。これが皆さんの資産形成の一助となれば嬉しいです。