あなたが持っている貯金が他人と比べてどれくらいなのか、また、老後の財源についての不安感はありませんか?44歳という時期になると、自分の財務状態について真剣に見つめ直す人が多いかもしれません。そこで、今回私たちは「44歳での貯金850万円は適切?それとも不足?」という問題に焦点を当ててみます。
44歳で850万円の貯金は不十分?平均値は?
始めに、44歳の平均的な貯金額に目を向けてみましょう。だけど、これはあくまで「平均」で、貯金額はライフスタイル、給与、債務の有無、地域差、個別の目標などによって大きく変動します。
44歳で一人暮らし(独身)のケース
金融広報中央委員会の調査結果によれば、40代の単身(独身)者の平均貯金は657万円と推定されています。この基準に基づくと、850万円の貯金は193万円の差があり、これは平均値より多いといえるでしょう。
中央値で見ると
ただし、平均値は一部の非常に多くの貯金を持つ人々によって高まる傾向があります。より具体的な指標である中央値は53万円です。この値を基準にすると、850万円の貯金は797万円の差があり、それは平均値より多いと判断できます。
44歳で2人以上の世帯の場合
金融広報中央委員会の調査によれば、40代2人以上の世帯の平均貯金額は825万円です。これを基準にみると、貯金850万円の差額は25万円となり、それを中央値より多いと判断することができます。
中央値を見ると
しかし、平均値は一部の極端に高額な貯金を持つ人々によって影響を受け、偏ってしまうことがあります。より現実的な数値である中央値は250万円となっています。この数値を基準にすると、貯金850万円の差額は600万円となり、それは中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に必要な貯金の総額
かつて「老後に2,000万円が必要」という議論がありましたが、老後の資金不足について心配する人は少なくありません。60歳からの老後の生活費は、個々の状況により大きく変動しますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの基準とされています。
44歳で850万円を持っている場合の老後の資金計画
現在、44歳で850万円を蓄えている場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もりましょう。
44歳で独身(単身)の場合
もし独身の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約1,000万円とします。これによると、不足する金額は150万円です。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの16年間で年に9.4万円、月に0.8万円の貯蓄が目安となります。
44歳で2人世帯の場合
2人世帯の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約2,000万円とします。この場合、不足額は1150万円となります。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの16年間で年に71.9万円、月に6万円の貯蓄が目安となります。
44歳、貯金850万円の老後資金についての考え方
ここで挙げた数字は最適な状況を示すもので、将来の収入や支出、インフレなどを勘案すれば、更に貯蓄を増やしたり、60歳を越えても就労し、収入を得る必要があるかもしれません。
貯金を増やす一方で、単に節約して積み立てるだけでなく、投資を通じて資産を増やすことも視野に入れると良いでしょう。ただし、投資にはリスクが伴うので、慎重に進める必要があります。
以上が44歳で貯金850万円のあなたが老後までにどれだけの貯金が望ましいかについての解説です。皆様の資産構築の一助になれば幸いです。